残された小包
   

 あるとき、街の中心部をたまたま通りかかったところ
大きな音とともに一瞬で周りの光景が変わってしまった。
"ドーーンッ"
何かが爆発し、周りは悲惨な状況に陥っていたのだった。
 あまりの出来事に呆然としていると。目撃したボクの
口を封じるために追手がやってきて、それにすぐ気付き
追われる身となり、逃げきるため地下鉄の駅に駆け込んだ
のだが、列車に間に合えず捕まってしまった。



 ふと目が覚めると、自宅のリビングにいた。
あの悲惨な現場が気になり、テレビをつけたがニュースに
全く触れられておらず、その現場にいる知人に電話をした
ところ、無残どころか平和そのものであった。

"さっきのは何だったんだ?夢か幻か?"

しばらくして確信した。
"ボクは未来を予知してしまったのか。。。
いや、過去にタイムスリップしてしまったのか。。。
いづれにしろ、この現象を知る者はいない。
街の中心部未来は自分で変えるもの
ボクが歴史を塗りなおしてやる"

 ボクはそう思って、現場に向かった。

 現場近くには子供が無邪気に遊んでいる。
これから何が起ころうとも知らずに。。
 ボクは爆発が起きようとしている現場に着く。
やはり、爆発物のようなモノが隠してあった。

 子供のため、街のために、必死になって爆弾を解除し、
なんとか悲惨な事件を食い止めることができた。
そうして胸を撫で下ろして、爆弾の下を見てみると……
そこには重さ2kgほどの小包が。。

 ハッΣ(゜ロ゜〃)

遠くを見ると、やはり追手がやってくるのが見える。

 ボクは一目散に小包を持って地下鉄の駅に走った。
すこしでも、タイムロスをなくすように。。

 功を奏し、間一髪で地下鉄に乗り込むことができた。

追手はこない。

そう安心して最後尾車両に乗ったのだが線路の先を見ると
別の列車が追いかけてきて迫ってくる。地下鉄を乗っ取った
ようだ。
 すると、その列車は急に加速し衝突してきた。
ボクは吹っ飛び、運転(車掌)席側が大きく穴があき、
車内剥き出しの状態になった。

 気が付くと追跡するその列車はいない。
 しかし、横を見ると列車同士が並走していた。

 すると、列車は合流するポイントに差し掛かり、ボクの
乗ってる列車に体当たりをしてきた。

 その列車はボクの乗る列車に食い込ませ、
ボクの乗る列車は壁に引きずられながら尚も走る。
 やがて、その列車はトンネルの柱にぶつかり、大破した。
 形がなくなっている運転(車掌)席の方を見ると、
線路の向こう側に炎上し、爆発している車両が見えた。
 もう追手は追ってこない。
 ボクは間一髪で逃げ延びたのだった。



 ボクはこの一連の事件は組織の犯行だと思い、
それについて調べてみた。すると、テレビ局を占拠した
大テロリストの犯行のようだった。

「オレ達にブツを引き渡せ!でないと街中にある爆弾を
破裂させていくぞ!ここテレビ局も占拠してるんだ。オレ
達の言っていることに嘘はねえぜ!」



 "テロリストと謎の小包。。"
 ボクは夜、テレビ局へ向かった。
 仲間を二人連れて、エレベーターで最上階へ向かう。
 
 最上階にて、エレベーターの扉が開くと、
銃を構えた手下が近寄ってきた。
 "ボクはボスの友達で、有力な情報を掴んでいる。
きっと喜ぶと思う。ボスのところへ案内してほしい。"
 ボクがそう言って、手下に案内させた。

 テロリストのボスのところへ着くと
ボスはリラックスチェアを回転させ、こちらに姿を見せた。

 「これが何かわかるか??」

 ボクは小包を投げ落とす。
 「ボクはこの小包を届けに来た。」

すると、
「貴様、中身を見てないだろうな?」
ボスが訊いてきた。

 「袋でさえ開けていないと約束する。
 ボクはこうも危険を冒してまで派手に取り戻そうとする
理由が知りたいだけだ。袋の中身はなんなんだ?」

「貴様には関係ないことだ。また関係してはいけない物だ。
と言っても、そのもの自体の値打ちはない物だ。貴様が
手にしても、何故ここまでやるのか到底わかるまい。
さあさ、おしゃべりはここまでだ。」
そう言いながら、銃をボクたちに向ける。

 「ボクたちはこれで失礼する。」
 ヤツらは口封じのためにボクたちを殺るに違いない。
 ボクたちは後ずさりしながら、階段に向かった。

 張り詰めた空気の中、"パシッ"と物事とともに
とうとう銃撃戦がはじまってしまった。
 多くいたテロは少数になりながらも、追いかけてくる。
 やがて国境を超え、舞台は岩のゴツゴツした荒野。
 テロが迫ってくるなか。。。

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